焚き火はキャンプに行って誰もがやりたいと思う、メインとなる楽しみのひとつ。焚き火から上がる美しい炎に魅せられるキャンパーも数多いことでしょう。
一般的には、焚き火をおこなう時「針葉樹や広葉樹の薪」を燃料としますが、
"ペレットを燃料にウッドストーブで二次燃焼を楽しむ"
という、独特な焚き火をおこなうキャンプスタイルも確立されてきています。その一方で、ペレットを使った焚き火を「知らない、未経験」という人も多く、決してまだ認知度が高いとは言えません。これは興味が無いというよりも、単にそのような知識や発想がなかったのでしょう。燃料として使うペレットは、薪と比較にならないくらい軽量で持ち運びが楽で環境にやさしい素材。しかも、コスパも良いという優れたメリットの多い燃料なのです。
この記事では、ペレットの基本的な知識から「燃料にペレットがおすすめな理由」「具体的な焚き火のやり方」まで、検証を含めて徹底解説します。
- 木質ペレットとは何か
- 焚き火にペレットがおすすめな理由
- 二次燃焼の仕組み
- 二次燃焼におすすめのウッドストーブ
- ペレットで焚き火 口コミ
おすすめ木質ペレット
岐阜県飛騨の「桧・杉・松」を主原料とした環境にやさしい、国産原料100%の着火も良い高品質な自然エネルギー。 サイズは「直径6mm・長さ1~3cm」。ウッドストーブの焚き火で二次燃焼を楽しむなら、断然おすすめの燃焼用木質ペレットです。価格もお手頃です。
木質ペレットってなに?
「ペレット」とは小さい固まりの粒のことを指します。素材として「鉄、石、プラスチック」など様々ですが、本記事では「木質ペレット」のことを意味します。
木質ペレットというのは、
- 原木
- 樹皮
- 枝葉
- 端材
- おが屑
これらを乾燥させて破砕し、その後に水分量を調節して小粒の棒状に圧縮成型した固形燃料のことです。木質ペレットは、木を加工する際に生じる端材などを利用するため、とても環境に優しい自然素材として活用できます。また、木質ペレットは、火力発電所などで使用されている燃料です。これらの燃料は、安定して燃焼し、環境にも優しいので、安心して使用できます。
木質ペレットの種類と成分や形状
木質ペレット(以下ペレット)には、「燃焼用」と「ペットの猫砂用」として販売されているものがあります。どちらを選んでも問題はありませんので、値段と内容量を比較して安いものを買うと良いでしょう。ペレットの種類は、原料となる木材の配合などによって分けられています。それぞれのペレットの違い・特徴は以下のようになっています。
■日本木質ペレット協会より引用
木部ペレット(ホワイトペレット) | 樹皮を含まない木質部を主体とした原料を用いて製造したもの |
樹皮ペレット(バークペレット) | 樹皮を主体とした原料を用いて製造したもの |
全木(混合)ペレット |
|
木部ペレット(ホワイトペレット)
木部ペレットは、ホワイトペレットとも呼称されます。樹皮の部分を含まず、完全に木質部分だけを使って製造されるペレットです。ノコギリで木材を切る時に、細かい「屑」が出ますが、木材の製材所などではこのような屑が大量に出るため、それを流用した木部ペレットが主流です。木部ペレットは、燃焼時間が早く灰分量が少ないのが特徴です。
樹皮ペレット(バークペレット)
樹皮ペレットは、バークペレットとも呼称されます。その名の通り、樹皮をメインとして製造されたペレットのことです。剥皮を有効利用するために生産されており、安価ですが利用率は低くなっています。樹皮ペレットは、燃焼時間はやや早くて灰分量・塊物状のクリンカーが多いのが特徴です。クリンカーとは、ペレットを燃焼させたあとに時に生成され残るガラス質成分の事で、成長速度が速い植物や部位であるほど、この物質が多く含まれます。
全木ペレット(混合ペレット)
樹皮付きの丸太をメインとして作らたものを「全木ペレット」と呼称します。また、木部と樹皮を任意の割合で混合したものから作られるものを「混合ペレット」と呼称します。全木ペレットは、燃焼時間は長く灰分量が若干多いのが特徴です。
おすすめの焚き火用ペレットは?
ペレットを使った焚き火について、筆者おすすめのペレットをご紹介します。下記表は各種ペレットの性質をまとめたものです。
ホワイトペレット | 全木ペレット | バークペレット | |
灰量 | 少ない | 若干多い | 多い |
硬度 | かため | 若干かため | やわらかい |
崩れやすさ | 崩れにくい | 若干崩れにくい | 崩れやすい |
発熱量 | 高い | 高い | 低い |
ペレットには、これまでの説明の通り使用している原料(部位)で名称が異なりますが、見た目の違いとして下記「2タイプ」のペレットがあります。
ペレットタイプ1の形状と質感
見た目に艶があり、硬い感じでカッチリしています。硬いので崩れやすくなっていますが燃焼用に向いています。着火も早くて「燃焼時間・火力」共に程よいペレットです。
ペレットタイプ2の形状と質感
見た目はコルクボードのような感じで、ポロポロとしています。柔らかくて崩れにくいタイプですが、着火まで時間が掛かります。燃焼時間自体は長いのですが、少し火力が弱めで焚き火として楽しむには少し不向きに感じました。
おすすめのペレット結論
ウッドストーブの燃焼用として使うのであれば、「ペレットタイプ1」をおすすめします。二次燃焼用ウッドストーブとして利用する場合のおすすめは、
ホワイトペレット>全木>バークペレット
となります。
ペレットを購入できる場所(ホームセンター)
各種ペレットは最寄りのホームセンターで購入することができ、燃焼用あるいはペット用として販売されています。
- カインズ
- コーナン
- コメリ
- ナフコ
楽天やamazonならペレットストーブの購入もできるのでチェックしてみてください。ペレットは内容量の多いほうがコスパに優れていますが、必然的に重量が大きくなるので、運ばなくてよいネット注文をおすすめします。
燃料に木質ぺレットを使う魅力とオススメな理由
焚き火と言えば、針葉樹や広葉樹の「薪(薪ストーブ)」を使うことが多いです。しかし、「ペレット+ウッドストーブ」を使って焚き火をおすすめする理由の代表格は下記です。
- 木質ぺレットは燃料として環境に優しい
- 木質ぺレットは燃焼時に発生するCO2排出量が少ない
- 木質ペレットは燃焼時に窒素が発生しない
- 木質ぺレットは燃焼時の火災リスクが低い
上記4つが一般的なおすすめ理由ですが、他にも筆者がオススメする理由(魅力)が8つあります。
- 形状や品質が安定しており燃焼効率が良い
- 入手しやすい
- 乾燥していて貯蔵に適している
- 再生可能な資源から造られている
- 軽量であり持ち運びが楽
- 薪割りをしなくてもいい
- コストパフォーマンスが高い
- 美しい二次燃焼が楽しめる
各メリットについて、ひとつずつ解説していきます。
木質ペレットは形状や品質が安定している
木質ペレットは前述した通り、「原木・樹皮・枝葉・端材」といった木質系の副産物や廃棄物を粉砕して、圧縮し成型した固形燃料として造られています。長さや太さなどのサイズも均一化されており、形状と品質が非常に安定しているのです。これらは、燃焼の安定化にも大きく影響し、ウッドストーブと併用することで更に燃焼効率を高めてくれます。
木質ペレットは入手しやすい
木質ペレットは、カインズやコーナンなどのホームセンター、インターネット(楽天・amazonなど)で多く販売されています。入手経路が多いので、簡単に手に入れることができます。焚き火の機会が多いキャンパーにとってはとてもありがたい燃料です。
木質ペレットは乾燥していて保存に適している
薪として利用される木は、しっかり乾燥させて販売されています。水分含有率は「20~25%」程度ですが、湿気のある所で保管してしまうと薪が湿気てしまい、「火つきが悪くなる・腐敗してしまう」といったことに繋がります。
木質ペレットも湿気には強くありませんが、その水分含有率は「8~13%」となっていて、かなり乾燥させた水分含有率になっています。木質ペレットは、「乾燥している=腐りにくい」ので保存に適していると言えます。
木質ペレットは再生可能な資源から造られている
ペレットの原料となる木々というのは、伐採したらその都度植林する。この循環をしっかり保っていれば再生可能な資源となります。そうなると原料は枯渇しないため、木質ペレットは継続的に利用することができます。
木質ペレットは軽量であり持ち運びが楽
木質ペレットは薪に比べると、とても軽いです。軽量と言うだけでもメリットですが、他にも見逃せないポイントとして、焚き火台(ウッドストーブ)の大きさに関係なく使用出来るという点が挙げられます。ウッドストーブはかなり小さなタイプから、大型タイプまで幅広く販売されているので、大きさに関わらず使えるのはかなりの利点です。
ペレットの粒は均一な大きさで、販売されている時は袋に入っています。これを100均で販売されているような「穀物用の容器」などに小分けにして持ち歩くこともでき、薪をキャンプに持ち込む労力と比べると、とても「楽」です。
薪割りをしなくてもいい
「大は小を兼ねる」と言いますが、その逆は成立しませんよね。薪を燃料にして小型タイプのウッドストーブ(焚き火台)を使う場合と、大型タイプのウッドストーブを使う場合には、使用する薪のサイズを変える必要があります。
その為には何度もバトニングをしたりと言った手間がかかってきますが、木質ペレットは元から粒が小さく大きさが均一のため、ウッドストーブのサイズによって使い分けるのは「分量」だけであり、サイズを変えるという面倒な手間がかからないのは大きなメリットでしょう。
木質ペレットはコストパフォーマンスが高い
ここでは販売されている一般的な薪とペレットを比較としていますが、同じ重さの薪とペレットを購入した場合ペレットのほうが安価です。ただし、入手の仕方によってコストパフォーマンスが変わります。
自分で間伐材や端材などを入手できるのであれば、購入費用は「0円」なのでそういったケースは除外します。このコスパ比較については、レビューで実践していきます。
美しい二次燃焼が楽しめる
何より一番のメリットと言えるのが、「二次燃焼を楽しめる」ということです。形状が均一で安定していて、燃焼にムラがないため、すごく美しい二次燃焼を見ることができます。この素晴らしさに慣れてくると、通常の焚き火台と薪を使ったものでは物足りなく感じてくるほどです。
木質ペレットを使った二次燃焼の仕組み
木質ペレットを使った焚き火がおすすめな理由として、通常の焚き火では経験できない、「美しい二次燃焼」が見られる事をお伝えしてきました。
二次燃焼という言葉をなんとなく聞いたことはあるけれど、意味はよく分かっていないという人も多いでしょう。そんな二次燃焼について、これから解説していきます。
そもそも火とはなんなの?
そもそも火とは何なのか?ということから理解しておきましょう。赤っぽく光を発しながら、ゆらめくように見える火(炎)。
火に近づくと、当たり前のように熱を感じますよね。火というのは目に見えますが、実際に物体としてそこにある訳ではありません。あくまで化学反応した様子が目に映っているのであり、「そこ」にある現象なのです。
- 熱
- 可燃物
- 酸素
火を起こすには、これらの3つの要素が必要です。酸素と可燃物が、熱源により結びつく化学反応の過程で、光と熱を発している状態が「火」なのです。
一次燃焼の火とは
キャンプにおける焚き火の「火」は、薪が燃えている時に目にしています。当たり前ですが薪木に火をつけると、火は燃え広がります。
木(可燃物)が燃えると熱が出て、火と一緒になって白っぽい煙が同時に立ち上がって見えます。この状態が「一次燃焼」の状態です。難しく聞こえるかもしれませんが、一般的な焚き火台や直火で見る「火」というのは、この一次燃焼の状態を見ていると理解しておきましょう。
二次燃焼の火とは
燃焼の過程の中で、木の中にある燃える物質が気体(可燃性ガス)となり気化します。せっかくの可燃ガスが、酸素と結びつかずに気体のまま離れてゆく状態が、私たちの目に「煙」として見えているわけですね。つまりこれは燃えるはずの貴重なガスを、無駄に損失している状態とも言えるのです。
ということは、その離れていく気体を無駄なくしっかりと燃やすことで、さらに効率よく大きな炎になります。これが「二次燃焼」の火ということになります。
ペレットに適した焚き火台
出典:SOLO STOVE公式
ペレットを使った焚き火には、二次燃焼が楽しめる形状の「ウッドストーブ」が断然おすすめになります。上図のようにウッドストーブの二重壁構造によって、下部から空気を取り入れ熱せられた空気を上部より吹き出すことで、一次燃焼で燃え切らなかった可燃性ガスに再度燃焼させたものが二次燃焼した火となります。
二次燃焼をさせることにより、可燃性ガスを極力逃がさないようにしながら燃やせます。通常の焚き火に比べて煙が少ないので匂いも少なく、燃焼効率が非常に高くなります。また燃えカスがほぼ綺麗な灰となり、廃棄が楽になるのも大きな注目ポイントです。
【検証】ウッドストーブと木質ペレットを使った焚き火のレビュー
ウッドストーブと木質ペレットを使った焚き火のレビューをしていきます。使用するのは、同じ分量の薪とペレットを使用します。最後には、コストパフォーマンスの観点も加えてレビューします。
- 針葉樹の薪・・・200g
- 広葉樹の薪・・・200g
- 木質ペレット・・・200g
薪と木質ペレットを、それぞれ着火剤に火を着けて燃え移ってから時間を計測し二次燃焼に至るまでの時間と、最終的に燃え尽きるまでの時間を計測していきます。着火には公平性を持たせるため、同じ着火剤を同量使用しています。
針葉樹の薪で焚き火(ウッドストーブ)
ウッドストーブ(焚き火台)を使用し、針葉樹の薪で焚き火を検証しました。まずは焚き火台に、着火剤と針葉樹の薪を入れて着火し時間を計測していきます。
針葉樹の薪|一次燃焼状態の経過時間
200gの針葉樹を入れ、着火してから一次燃焼をしている時間は「2分10秒」でした。さすがに針葉樹は燃え上がるまでの時間が早いです。
針葉樹の薪|二次燃焼状態の経過時間
画像では分かりにくいですが、部分的に二次燃焼しています。二次燃焼が始まってから「2分40秒」継続しました。
二次燃焼が終わり鎮火までの経過時間
二次燃焼が終わってから目に見える火があがっていない状態まで「2分30秒」でした。「おき火」の状態はカウントしていませんので、目に見える火が無くなっても熱は十分に立ちあがってきます。
針葉樹の薪|着火から鎮火までの総時間
トータル燃焼時間は「7分」となりました。もう少し薪を短くカットすれば良かったのですが、薪の上部が二次燃焼の酸素の供給口にかかってしまいました。部分ごとに二次燃焼していましたが、全体的に綺麗に発生しれくれませんでした。
広葉樹の薪で焚き火(ウッドストーブ)
続いて、同じウッドストーブ(焚き火台)で、着火剤と広葉樹の薪を投入して時間を計測していきます。
広葉樹の薪|一次燃焼状態の経過時間
200gの広葉樹を入れて、着火してから一次燃焼をしている時間は「4分」でした。だいぶ長く感じますが、これは広葉樹は針葉樹に比べ木の密度が高く、燃え上がるまでの時間が遅いためです。着火してからしばらくの間は、弱火でくすぶっているような感じです。
広葉樹の薪|二次燃焼状態の経過時間
こちらも画像では分かりにくいですが、部分的な二次燃焼となっています。二次燃焼が始まってから「2分40秒」継続しました。二次燃焼している時間だけで見ると、針葉樹と大きな差はありませんでした。
二次燃焼が終わり鎮火までの経過時間
二次燃焼が終わってから目に見える火があがっていない状態まで「2分40秒」でした。こちらも「おき火」の状態はカウントしていません。
広葉樹の薪|着火から鎮火までの総時間
トータル燃焼時間は「9分20秒」となりました。こちらも針葉樹の検証と同じことが言えるのですが、もう少し薪を短くカットすれば良かったのです。薪の上部が二次燃焼の酸素の供給口にかかってしまい、全体的に綺麗な二次燃焼は発生しれくれませんでした。
ペレットで焚き火(ウッドストーブ)
最後に同じ道具のウッドストーブ(焚き火台)に、着火剤と木質ペレットを投入します。着火剤をカットして分散させるように配置します。ペレットは着火にコツがいるので、なかなか上手くいかない人は画像のように着火剤をセットし、バーナーで炙るといいでしょう。他にもアルコールを10~20cc程度全体にかけて、素早く着火させるのもおすすめです。
木質ペレット|一次燃焼状態の経過時間
200gの木質ペレットを入れて、着火してから一次燃焼をしている時間は「2分」でした。ペレットの一次燃焼は、薪に比べて物凄くなめらかな感じに見えます。
木質ペレット|二次燃焼状態の経過時間
木質ペレットは見ての通り完全で美しい二次燃焼となりました。二次燃焼が始まってから「3分50秒」継続しました。二次燃焼している時間だけで見ると、一番長い時間で二次燃焼を楽しむことができ、見た目に美しく火力も一番強く感じました。
二次燃焼が終わり鎮火までの経過時間
木質ペレットは、二次燃焼が終わってから目に見える火があがっていない状態まで「1分10秒」でした。こちらも「おき火」の状態はカウントしていません。
木質ペレット|着火から鎮火までの総時間
トータル燃焼時間は「7分」となりました。ただし火力の安定感と、二次燃焼の綺麗さは群を抜いていました。やはり均等に均して、低い位置に配置されているのが大きな要因でしょう。
また今回はすべての検証で言えることですが、使用したウッドストーブのサイズが大きいのに対し、燃料の薪や木質ペレットの量が少なかったため、相対的に燃焼時間が短くなりました。
焚き火レビュー結果を検証
今回の検証は下記のような結果となりました。実際に比較してみた感想として、今回の検証実験の「トータル燃焼時間」については、状況によってかなり変動しました。検証動画が、複数youtubeにアップされていますが時間は様々です。
針葉樹 | 広葉樹 | 木質ペレット | |
一次燃焼時間 | 2分10秒 | 4分00秒 | 2分00秒 |
二次燃焼時間 | 2分40秒 | 2分40秒 | 3分50秒 |
鎮火までの時間 | 2分30秒 | 2分40秒 | 1分10秒 |
トータル燃焼時間 | 7分20秒 | 9分20秒 | 7分00秒 |
これには、次の点が大きく関与しています。
- 使用しているウッドストーブの種類と大きさ
- ウッドストーブのサイズに適した分量の燃料
- 燃やす際の薪の太さと長さのカット具合い
- 使用するペレットの種類
- どのタイミングを着火したとみなすか
その他にも、燃焼している時間の長短はありますが、火力の大きさは一定ではありません。薪を二次燃焼するウッドストーブに入れた場合、立てかけるように配置する為、薪の下から上に徐々に燃え広がります。一方、木質ペレットの場合は平らにならした状態で均一に燃え広がるため、火の強弱に差は少なく安定感は高くなります。この差は二次燃焼の綺麗さに顕著な差を生みました。
次に、コストパフォーマンスの観点から見てみましょう。
木質ペレットの場合
値段の違いはあるものの、ホームセンターでは10kg入りで700~1,000円くらいで購入できます。つまり、
kg(キログラム)単価で70~100円
ですね。
薪の場合
薪の場合は、針葉樹や広葉樹でも値段は変わります。商品によって1kgあたりの単価に幅があり、ざっくりとした感覚になりますが、高額な物だとキロ単価で500円くらいの薪も売っていました。ホームセンターの場合、
kg(キログラム)単価は平均100~150円
くらいが一般的です。
このように比較してみると、木質ペレットの燃費の良さが伺える結果となりました。
焚き火に使用する、薪とペレットの燃料比較の結論
筆者の意見としては、二次燃焼用のウッドストーブを利用して焚き火をするのであれば、
- 火力
- 安定性
- 二次燃焼の美しさ
- コストパフォーマンス
上記4点の理由から、薪よりも木質ペレット一択と結論付けました。逆に一般的な焚き火台でペレットを使用すると、燃え広がらずに途中で鎮火してしまうことがあるため、ペレットはあまりおすすめできません。したがって、
二次燃焼ウッドストーブ | 一般的な焚き火台 | |
使用する燃料 | ペレット | 薪木 |
という、組み合わせが良いと結論付けます。
ペレットで焚き火をする際の注意点
ペレットがとても優れた燃料であることは、ここまでの解説や検証の通りですが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。ペレットを使った焚き火をする際に困らないよう、前知識としてぜひ抑えておきましょう。
ペレットの着火にコツがいる
前述した通り、ペレットの着火にはコツがいります。
最初は火が着きにくいため、着火剤を使うときは上画像のように燃えやすい着火剤を少し埋め込むように置きましょう。
普通のライターやマッチだけで着火を試みないようにしましょう。新聞紙やティッシュペーパーを使っても同じで、着火は難しいです。
着火剤を使わない場合は、アルコールを少量持っていきましょう。着火には「10~20cc」あれば充分です。敷き詰めたペレットの表面全体に均等に撒きましょう。アルコール用の容器は、必ずPE(ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、硬質PVC(ポリ塩化ビニール)の素材で作られたものを選ぶようにして下さい。
ペレット用ロストルが必要な場合がある
ペレット用ロストルとは、空気の通りを良くするための焚き火台の底部にある、金属の格子状のものです。二次燃焼用のウッドストーブにはロストルが付いていますが、そのロストルの穴の大きさはウッドストーブによって様々です。ペレットは細長くて小さい粒なので、もともと付いているロストルでは穴が大きすぎる場合は下に漏れ落ちてしまうのです。
メジャーな「ソロストーブ」などの場合は専用ロストルが販売されていますが、安く済ませたいときは100均などに売られているアイテムで代用することもできます。自分の持っているウッドストーブのサイズに合わせて、適切な大きさ(内径)の、
- 台所排水用のゴミ取り網
- 茶こし
- ベーキングパウダー用の粉振り網
などを使って代用してみましょう。
「ソロストーブ」の各サイズに合わせたペレット用のロストルです。
- ライト用
- タイタン用
- キャンプファイヤー用
でサイズが異なります。
【屋内の使用OK?】ペレットで焚き火をする際の注意点
ペレットで焚き火をするのは、前述の通り、煙や臭いが少なくて環境に優しい焚き火なので、屋内でも使用することができるというメリットがあります。しかし、一酸化炭素中毒の危険性もあり、注意が必要です。屋内でペレットを使用した焚き火をする際は、以下の点に注意を払ってください。
注意点 | 説明 |
---|---|
十分な換気を確保する | ペレットを使用した焚き火は、燃焼時に煙や一酸化炭素を出しにくい特徴がありますが、それでも屋内で使用する場合には、換気口を開けたり、窓を開けたりして、新鮮な空気を取り込むようにして下さい。特に、屋根のない場所や密閉された場所での使用は危険なため、絶対にやめておきましょう。 |
取扱説明書を必ず読み、正しい使用方法を守る | ペレットを使用した焚き火は、燃焼時に排気ガスが発生するため、不適切な使用方法をすると、一酸化炭素中毒などの危険があります。そのため、使用する前には必ず説明書を読み、正しい点火方法や適切な燃料の使用方法などを確認しましょう。 |
燃焼中には周囲に物を置かないようにする | ペレットの焚き火の燃焼によって排出される排気ガスは、環境に優しいとされていますが、燃焼中に発生する煤(すす)や灰は、部屋の中に拡散する可能性があります。そのため、屋内で使用する場合には、燃焼中は周囲に物を置かないようにしましょう。 |
使用後はきちんと清掃する | 燃焼中に発生する煤(すす)や灰は、使用後にも部屋に拡散する可能性があるため、使用後には焚き火台をしっかりと清掃することが大切です。清掃方法は、取扱説明書に沿って行うようにして下さい。 |
ペレットを使った焚き火の評判や口コミ
ペレットとウッドストーブを使った焚き火をするキャンプが密かな人気になっています。実際の評判や口コミには、どのようなものがあるのか見ていきましょう。
Twitterの口コミ
#焚き火 #ペレット #二次燃焼
ペレットを燃料にして、二次燃焼焚き火台で焚き火をしてみたのですが、思った以上に素晴らしかったです。
綺麗な色の二次燃焼の炎が高くまで上がり、炎の造形も美しかったです。
さらに煙は皆無でした。
ただし、ロストルには茶こしなどを入れて工夫する必要があります。 pic.twitter.com/TQASJQFgO0— たかさん(アウトドア系ブロガー) (@takalog_takasan) May 10, 2022
アマゾンで購入の激安ウッドストーブで、初めてペレットを使いました。キレイに二次燃焼してますね。炎が消えた後もかなりの余熱があります。これからはペレットを使います。#ソロキャンプ#ウッドストーブ#ペレット#青根キャンプ場 pic.twitter.com/SMGPQ5V69O
— ジュン (@Junya1965) March 11, 2022
焚き火は木質ペレットを燃料に、自然を感じながらウッドストーブで二次燃焼を楽しむのが最高に楽しい。
まだやったことない人はぜひチャレンジしてみてください!#ペレット#二次燃焼ストーブ pic.twitter.com/Sr2NToYcbq— OKAキャンパー (@okacamper7) November 27, 2022
Instagramの口コミ
ちなみに、Twitter最後の口コミは筆者(@okacamper7)の投稿です。やはりみなさん、ウッドストーブを使ったペレットで見ることのできる二次燃焼に魅せられているようですね。
二次燃焼を見るだけなら、安価で小型のウッドストーブでも可能です。木質ペレットも安く入手でき、10kg入りのペレットがあれば長く綺麗な二次燃焼を何度も楽しむことが出来るので、ぜひやってみて下さいね。
ペレットで焚き火|まとめ
当ページでは、焚き火の燃料にペレットがおすすめな理由と、ウッドストーブを使った二次燃焼とレビューについて解説してきました。再生可能な資源であり、軽量で安いためコストパフォーマンスに優れているペレット。そのペレットを燃料とし、ウッドストーブで焚き火をするのは通常の焚き火とは、またひと味違ったおもむきがあります。
見た目にも不思議な魅力のある、美しい二次燃焼の炎を知ればその魅力に引き込まれること間違いありません。ペレットの焚き火は、煙や匂いも少なくてやり方もいたってシンプルです。木質ペレットはホームセンターなどの店舗をはじめ、amazonや楽天などでも入手可能な燃料です。あとはお気に入りのウッドストーブを手にするだけ。
まだチャレンジしたことがない人、ペレットとウッドストーブを使った二次燃焼の焚き火を知らなかった人も、ぜひ美しい「炎」を楽しんでみてください。
ペレットで焚き火中にトイレに行きたくなったけど、焚き火は消さないといけない?
そんなトイレ事情に関する記事も併せて読んでみて下さいね。
➤【危険】ソロキャンプのトイレ事情|焚き火から安全に離れる8つの対策
最後に、筆者おすすめのストーブです。
ソロストーブ ライト
高さ(使用時) | 約14.5cm |
高さ(収納時) | 約10cm |
直径 | 約10.8cm |
重量 | 255g |
高さ(使用時) | 約20cm |
高さ(収納時) | 約14cm |
直径 | 約13cm |
重量 | 467g |
高さ(使用時) | 約23.5cm |
高さ(収納時) | 約17cm |
直径 | 約17.8cm |
重量 | 998g |
高さ(使用時) | 約41.5cm |
直径 | 約38cm |
重量 | 7.5kg |
高さ(使用時) | 約44.5cm |
直径 | 約49.5cm |
重量 | 11.4kg |
高さ(使用時) | 約50.5cm |
直径 | 約68.5cm |
重量 | 20kg |